英国美術の現代史:ターナー賞の歩み展

森美術館 2008.4.25−7.13




 夏目漱石の小説にも引用され、印象派に影響に与えたジョセフ・マロード・ウィリアムス・ターナー(1775−1851)の名前に由来する1984年に創設されたターナー賞、その受賞作を史上初めて一堂に集めた展覧会。

 作品は、第1回の受賞作マルコム・モーリー(1931−)の「アメリカ女性と文化発祥の地」、デミアン・ハースト(1965−)の発表当時論議を呼んだ牛の真二つの切断作品「母と子、分断されて」(1993・2007)、政治発言をきっかけに暗殺されたボブ・マーレーの曲からタイトルとつけたクリス・オフィリ(1968−)の「ノー・ウーマン・ノー・クライ」(1998)、何もない部屋で電気が5秒間隔で点滅するマーティン・クリード(1968−)の「作品227:ライトが点いたり消えたり」(2000)、ミース・ファン・デル・ローエ建築のベルリン新国立美術館で熊のぬいぐるみを着てパフォーマンスの様子を映像化した「スリーパー」(2004−5)など。

 併設のギャラリー2では、ロンドンを拠点に活躍するオランダ人、サスキア・オルドウォバース(1971−)の制作9作品しかない内、「クロワット・ダイナスティー」(2000)、「プラシーボ(偽薬)」(2002)が上映されています。