玉村方久斗展

京都国立近代美術館 2008.1.8−2.17




 1915年、京都市立美術工芸学校、京都市立絵画専門学校の同窓生であった岡本神草、甲斐荘楠音や入江波光らと日本画研究団体「密栗会」を結成した玉村方久斗(1893−1951)の約140点から成る回顧展。

第一章       京都時代から院展脱退まで(1893−1920)

第二章       大正新興芸術と《雨月物語絵巻》(1921−29)

第三章       方久斗(ホクト)社時代(1930−35)

第四章       百九十一番居を経て晩年に(1936−51)

と時代変遷と画風の変化で章立てされています。

 今回、80余年ぶりの9巻公開となる彼の代表作《雨月物語絵巻》(1923−24)はパトロン的存在、吉田信實一色活版社長の援助を受けながら1923年8月末までには一度、8割出来上がっていましたが、関東大震災で焼失、再度、描き直した作品です。

 また、彼の立体作品は現在でも行方がわからないままです。

 第四章の「百九十一番居」は1943年、日本画家190名の協会員が選出された「日本画資材統制協会」から玉村自身が漏れたことから落款に「百九十一番居」を使用したことに由来しています。

 他の作品は、「風景」(1912)、「『劇場の三科』のポスター」(1927)、「猫」(1928)、「休日」(1931)、「白衣水柳観音図」(1951)等。