柳原白蓮展

京都高島屋グランドホール 2009.4.29−5.11




 『大阪朝日新聞』に1918.4.11−21まで10回連載された「筑紫の女王Y子」は佐佐木信綱(1872−1913)に師事した歌人・柳原白蓮(1885−1967)の2度目の嫁ぎ先、炭鉱王・伊藤伝右衛門との生活を中心に掲載されたものであったが、1920年に戯曲「指鬘外道」の出版で知り合った東京帝大生(後に弁護士)宮崎龍介(父・滔天(1870−1922)は孫文を支援し、辛亥革命を支えた)との約700文通の末、夫に「絶縁状」を新聞発表し、一大スキャンダルとなり、白連をモデルとした「沈思の歌星」(1927)を描いた伊東哲はこの作品によりバッシングを受け、画壇から消えてしまいました。

 作品は、竹下夢二が装幀をした第一歌集『踏絵』(1915)、『幻の華』(1919)、阿部春峰(1876−1956)が4種の花を描いた「伊藤伝右衛門邸の玄関わき書斎の引き違い戸」、歌稿「広島の原爆少女を病院に見舞ひて」他約200点。