ボルケーゼ美術館展

京都国立近代美術館 2009.10.31−12.27




 ローマ教皇パウルス5世の甥、シピオーネ・ボルケーゼ枢機卿(1576−1633)のコレクションをもとにしたヴィレ・ボルケーゼ(現ボルケーゼ美術館)は、教皇庁の迎賓館としても利用され、メキシコの直接貿易と宣教師の派遣を目的とし、伊達政宗(1561−1636)の命を受け、1613(慶長13)年、支倉常長(1571−1622)を長とした慶長遺欧使節は、総勢180名のうち31名も完成直後の1615年にここを訪れています。

 「日本におけるイタリア2009・秋」の基軸イヴェントとなるこの展覧会は、ボルケーゼ・コレクションがまとまって公開されるのはイタリア以外では世界初の企画でもあります。

 作品は、1927年ロベルト・ロンギによりそれまでフィレンツェ派の無名画家の作品とされ、後世の加筆されていた部分が取り除かれたこの展覧会の目玉作品、ラファエロ・サンツィオ(1483−1520)の「一角獣を抱く貴婦人」、パトロン、シピオーネ・ボルケーゼに贈られる予定でしたが、作家本人の死去で交渉の末、コレクションに加わったカラヴァッジョ(1571−1610)の最晩年作「洗礼者ヨハネ」(1609−10)、サンドロ・ボッチィチェリ(1445−1510)とその弟子たちの「聖母子、洗礼者ヨハネと天使」(1488頃)他、約50点。