ベルギー王立美術館展

国立国際美術館 2007.4.7−6.24




 約20,000点を収蔵するベルギー王立美術館から87点の展示。

 オディデウスの『転身物語』に基づき、クレタ島のミノス王に幽閉された父ダイダロスと息子イカロスが鳥の羽を蝋で着け、父の忠告も聞かず、太陽に近づき過ぎて、蝋がとけ、海へと墜落する場面を描いた「イカロスの翼」(1525/30頃〜1569)はベルギー王立美術館が1912年にロンドンの画商から購入した作品で、ピーテル・ブリューゲル(父)が制作した古代神話を主題とした唯一の絵画とされていますが、彼自身が描いたかどうかは今もって論争がたえないところです。

ペーテル・パウル・ルーベンスが西欧最初の本格的修道院を設立した聖人を描いた未完成作「聖ベネディクトルスの奇跡」はウジューヌ・ドラクロワの模写と共に展示されています。

他にもレンブラントの師であったヤーコブ・ファン・スワーネンブルフ(1571−1638)の「地獄のアイネイアス」、ネーデルラント総督であったレオポルト・ウィルヘルム大公の宮廷画家及び絵画管理者、ダーフィット・テニールス(子)(1610−90)の「イタリア絵画ギャラリーのネーデルラント総督レオポルト・ウィルヘルム大公」(1651)など。